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吉田初三郎鳥瞰図集成
吉田初三郎は大正から昭和にかけて活躍した絵師で、全国各地の鳥瞰図を作成しています。その中から筆者が所蔵する伊勢に関する鳥瞰図を紹介します。
賜台覧祭主宮殿下 参宮要覧伊勢御名所図会
大正8(1919)年5月20日印刷納本
発行所:三重県宇治山田市 伊勢土産物商組合
表紙:長辺21.5㎝×短辺18.8㎝
絵図:長辺80㎝×短辺18.2㎝
参宮要覧続・奥付
原寸:長辺17.7㎝×短辺15.2㎝
この図は三重交通が発行した「“美(うま)し国伊勢志摩”記念乗車券(昭和54年4月1日~昭和54年6月30日」の意匠として使用されています。
朝熊岳名所図絵
大正8(1919)年5月31日印刷納本
発行所:朝熊岳保勝会
表紙:長辺17.7㎝×短辺15㎝
絵図:長辺75㎝×短辺13.3㎝
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朝熊登山鉄道開通前です。交通手段としては、内宮前もしくは朝熊が起点の「駕籠」の案内があります。常設ではないので78時間前までに山田(現伊勢市)駅の赤帽または、朝熊へ電信で申し込む必要がありました。
朝熊岳 登山紀念鳥瞰図
大正14(1925)年
発行所:朝熊登山鉄道株式会社
表紙:長辺22.1㎝×短辺19㎝
朝熊岳を中心とせる伊勢の交通と其大風光:長辺37.7㎝×短辺17.6㎝
鳥瞰図中の平岩駅と朝熊駅が逆になっていますが、裏面奥付右側に「訂正注意」として注記があります。
伊勢電鉄御案内
昭和2(1927)年4月
発行:伊勢電気鉄道株式会社
表紙:長辺23.1㎝×短辺19㎝
参宮近道 伊勢電鉄沿線名所図絵 長辺76㎝×短辺17.4㎝
表面地図には四日市から松阪までの路線が描かれていますが、四日市~桑名・津新地~松阪は計画線として点線で描かれています。
伊勢神宮参拝御図絵
昭和4(1929)年
発行:宇仁館
長辺17.6㎝×短辺12.4㎝
『別冊太陽』によると宇仁館など13旅館が刊行しました。宇仁館のみ小型版であったそうです。
参宮急行名所図絵
昭和5(1930)年
発行:参宮急行電鉄
表紙:長辺長辺23.3㎝×短辺19㎝
参宮急行電鉄沿線名所図絵:長辺76.8㎝×短辺17.7㎝
山田(現:伊勢市)駅から神社港に向かう計画線が描かれています。
伊勢参宮御名所図絵
昭和4(1929)年12月20日印刷
昭和5(1930)年1月1日発行
発行:御遷宮奉祝神都博覧会協賛会
表紙:長辺23.2㎝×短辺19.1㎝
発行所は宇治山田商工会議所ですが、表紙裏面は各旅館の案内が掲載されています。
伊勢参宮御名所図絵:長辺53.6×短辺18.4㎝
地図中には「い」~「を」の旅館が掲載されています。「い」神州館、「ろ」鮓久・水月楼、「は」矢津屋、「に」あさ吉、「ほ」大安、「へ」武蔵屋、「と」桂木屋、「ち」両口屋、「り」松屋、「ぬ」高千穂館、「る」吸霞園、「を」奥文です。
御遷宮奉祝 神都博覧会
昭和5(1930)年3月22日印刷・3月25日発行
発行:御遷宮奉祝神都博覧会協賛会
表紙:長辺23.7㎝×短辺19㎝
御遷宮奉祝神都博覧会鳥瞰図:長辺54.1㎝×短辺18.5㎝
合同電車沿線御案内
昭和6(1931)年
発行所:合同電気株式会社
表紙:長辺23.5㎝×短辺19.3㎝
伊勢へ詣らば朝熊をかけよ朝熊かけねば片参宮:長辺38.8㎝×短辺17.6㎝
『別冊太陽』によると、昭和10(1935)年に改訂版が出され、大小二種類あったそうです。
御伊勢参り合同電車沿線御案内
昭和10(1935)年9月15日印刷・9月20日発行
発行所:合同電気株式会社
表面:原寸 長辺26.3㎝×短辺19.4㎝
〔参考文献〕
株式会社平凡社 『別冊太陽 大正昭和の鳥瞰図絵師 吉田初三郎のパノラマ地図』
平成14年10月 平凡社
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