いにしえの伊勢  home

交通機関

神都線・朝熊登山鉄道の切符

 伊勢を走っていた市電は、明治36(1903)年の開通から昭和36(1961)年の廃止時までに、「宮川電気」「伊勢電気鉄道」(近鉄の前身の「伊勢電気鉄道」とは別会社)「三重合同電気」「合同電気」「東邦電力」「神都交通」「三重交通」と会社名が変わっています。

伊勢電気鉄道

六区乗車券 原寸:長辺5.3㎝×短辺2.8㎝
 表面には「4,9 前10」の日付印が捺されています。裏面には路線図が印刷されており、「改正賃金 19銭 税共」のスタンプが捺されています。

乙回遊乗車券 原寸:長辺2.8㎝×短辺2.7㎝

 乙回遊券の経路は、山田から内宮を経て二見またはその反対です。裏面には「11.2後1」の日付印が捺されています。


往復切符 原寸:長辺5.3㎝×短辺3㎝
 元は真ん中で切られていましたが、業者がテープでつなげたものです。裏面には印刷された路線図とともに、「?.6.7.26」のスタンプが捺されています。


三重合同電気

団体切符 原寸:長辺4.8㎝×短辺2.9㎝
 表面には「三重合同電気株式会社」と印刷されていますが、「合同電気」のスタンプが捺されています。よって、社名が変わっても前社名時代に使用しきれなかった乗車券を流用していたと考えられます。裏面には日付印と思われるスタンプがありますが、残念ながら判読をすることができません。


八区乗車券 原寸縦2.9㎝×横4.5㎝
 表面に印刷されている社章が三重合同電気のものです。裏面には「? 14.1.2 出札所」の丸印と、判読不明の印が捺されています。


合同電気

五区乗車券 原寸:長辺4.9㎝×縦3㎝
 裏面には、赤色の「? 8.3.2? 発売」の丸印と、緑色の合同電気の社印が捺されています。

六区乗車券 原寸長辺4.9㎝×縦3㎝
 裏面には、紺色の「外宮前 10.4.7 発売」の丸印と、合同電気の社印と思われるスタンプが捺されています。

山田~内宮前往復切符(小児) 原寸:長辺3㎝×短辺2.2㎝
 表面には「割引 13 賃金」スタンプが、裏面には緑色の合同電気社章印、紺色の「外宮前 8?.1.1」印があります。


東邦電力

回数乗車券一区分 原寸:長辺5.1㎝×短辺2.2㎝
 表面の社章は東邦電力のものです。裏面には赤色で「神交」のスタンプが捺されていますので、東邦電力時代に印刷された切符をそのまま流用したものと考えられます。


神都交通

六区乗車券
 原寸:長辺5㎝×縦2.8㎝

 裏面には青色で「神交 17.5.6」のスタンプが捺されています。

山田~内宮前往復乗車券 原寸:長辺3.4㎝×短辺3.1㎝

片道団体分乗券 原寸:長辺5.3㎝×短辺3.1㎝
 中央に神都交通の社章が印刷されています。所謂団体券だと考えられます。


三重交通神都線

三交通神都線片道1区 原寸:長辺5.1㎝×短辺2.5㎝
 券面に「運賃改正」の捺印があります。『三重交通 神都線の電車』によると、神都線の運賃が1区10銭だったのは昭和21(1946)年1月25日までなので、その直後に使用されたものだと考えられます。なお、昭和21年1月26日から昭和22年2月14日まで一区20銭でした。裏面は白紙です。

三交通神都線片道券3区 原寸:長辺5.1㎝×短辺2.5㎝
 『三重交通 神都線の電車』によると、神都線の運賃が3区20円だったのは昭和27(1952)年3月1日から昭和30(1955)年10月20日までの間です。

電車御乗車受書
左:足助小学校  中:旭連合小学校  右:表面
原寸:長辺14㎝×短辺9㎝
 切符ではありませんが、こちらで紹介します。


朝熊登山線


(朝熊登山鉄道?)
朝熊岳より二見ゆき往復切符 原寸:長辺3.1.㎝×横2.8㎝
 表面の社章は朝熊登山鉄道のものです。ただ、裏面には「二見 5.2.1? 発売」とともに合同電気の社章と思われるスタンプがあります。朝熊登山鉄道時代に印刷されたものが合同電気時代まで残っていたのでしょうか。検討の余地はあると思います。


(合同電気)
楠部~朝熊岳往復 原寸:長辺3.1㎝×短辺2.7㎝
 表面には割引運賃のタンプが、裏面には判読できませんが発売所・日付印スタンプがあります



〔参考文献〕
伊勢市教育委員会 『岳のケーブルカー~朝熊登山鉄道展~』 平成10年2月
                       伊勢市郷土資料館 p.6~8

中野本一 『三重交通 神都線の電車』 平成23年1月
                株式会社 ネコ・パブリッシング p.7


©2020 sadanai
               home