神宮 明治42年式年遷宮 宇治橋渡初式・内宮上棟式紀念絵葉書
『明治四十二年 神宮遷宮史』によると、内宮の上棟祭は明治42年3月26日の午前10時から行われました。上棟祭終了後、神苑内で上棟式祝賀の餅撒きが行われました。大正天皇御手植松(現:内宮宇治橋を渡り右折して直進、第一鳥居北側の火除橋手前右側)付近に高さ一丈(約3m)、長さ3間(5.4m)、幅一間半(約2.7m)の台の上から7500個の丸餅が撒与されました。
また、宇治橋渡初式は、同日の午後1時より執行されました。井上造神宮副使以下神宮吏員・渡女阿竹しげ女・渡女の夫阿竹清助翁・侍女阿竹てふ・阿竹嘉六・芳太郎・ふさ子、次いで大少宮司禰宜以下一同は神苑より仮橋を通って饗土橋姫神社に向かい修祓の神事を行いました。その後、宇治橋北側第二柱にかぶせられる葱花形金物〔=擬宝珠〕の中に万度麻が納められると、渡女一行は仮橋で神苑側に行き渡り初めを行いました。衛士を先頭に渡女及びその夫以下三夫婦に続き、造宮職員、神宮職員、三重県知事以下県高等官、市内官衙長、市長助役、市参事会長、市会議員、在鄕将校、学校長、市内新聞社長、各新聞記者等被招待者、阿竹家の親族が宇治橋を渡りました。その後饗土橋姫神社で一拝をし式が終わりました。一行が神苑内の齋官に到着したのが午後2時10分でした。この日の拝観者は七万余人でした。
伊勢内宮宇治橋渡初式同神宮上棟祭 実況紀念絵葉書
左:たとう表面 中:たとう裏面 原寸:長辺15.5㎝×短辺9.5㎝
右:表面 原寸:長辺14㎝×短辺9㎝