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内宮界隈 施設・商店

二光堂

 内宮前にある二光堂さんです。昭和2年に発行された『南勢商工人名録』には「生姜糖 外村孝太郎」とあります。

伊勢参宮地図
左:表面 原寸:長辺27㎝×短辺18.8㎝  右:裏面

 表面「鉄道図」見ると伊勢電気鉄道が四日市までしか記入されていませんので昭和4(1929)年以前に作成されたものです。


伊勢参宮の栞1
左:表面 原寸:長辺35.7㎝×短辺12.9㎝  右:裏面

 裏面右端序文に昭和10(1935)年の記載がされており、参宮急行・伊勢電鉄ともに描かれていますので、昭和10(1935)年から昭和11(1936)年の間に作成されたものです。


伊勢参宮の栞2
左:表面 原寸:長辺35.8㎝×短辺12.5㎝  右:裏面

 裏面右端序文に昭和10(1935)年の記載がされていますが、参急電鉄(本線)の路線が名古屋まで描かれており、伊勢電鉄が「参急(伊勢線)」と表記されていますので、昭和13(1938)年から昭和17(1942)年の間に作成されたものです。

二光堂絵葉書1
左:たとう表面 原寸:長辺17.2㎝×短辺9.3㎝ 右:たとう裏面


左:葉書表面 原寸:長辺14.2㎝×短辺9㎝  右:裏面


 鳥瞰図には参宮急行と伊勢電鉄が描かれていますので、鳥瞰図自体は昭和6(1931)年から昭和11(1936)年の間に作成されたものです。しかし、縦型の絵葉書には戦時色が見られますので戦中に配布されたものだと考えられます。


二光堂絵葉書2
左:表面 原寸:長辺17.2㎝×短辺9.3㎝ 右:裏面


 伊勢市内から宮後町に出された実逓便です。表面には昭和33年4月10日の二光堂のスタンプと同日と思われる消印が捺されています。また画像左端には「新発売 千代光麗ポケット型生姜糖」とあります。また裏面の建物の画像は、栞に見られる写真の建物とは異なるようです。


伊勢志摩の栞
左:表面 原寸:長辺25.4㎝×短辺13㎝  右:裏面



 表面の地図中には昭和34(1959)年に改称された伊勢市駅の記載があります。また、昭和36(1961)年に廃止となった神都線が描かれていません。しかし、裏面の外宮宮域図には神都線の表記があります。さらに昭和39(1964)年に開設された倉田山球場はありませんが、山田球場はあります。よって、神都線廃止直後に作成されましたが、裏面外宮宮域図は何らかの事情で訂正されなかったのではないかと考えられます。裏面下段右端の写真は「二光堂絵葉書2」と同じ建物です。


令和3(2021)年3月29日撮影



〔参考文献〕
田中甚太郎 『南勢商工人名録』   昭和2年7月 p.55


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