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治山田駅・古市・倉田山界隈 旅館

備前屋

 古市遊郭最大級の妓楼で別名を牛車楼といい、紋所は源氏車です。備前屋が伊勢音頭を始めたのは古市妓楼中最も古く、寛永(1624~45)年間といわれています。寛政6(1794)年にはせり上げ式の踊り舞台を考案しました。神苑会を組織した太田小三郎を輩出した家でもあります。その代で妓楼としての歴史は閉じました。その後経営者は変わりましたが、昭和20(1945)年の戦災まで存在しました。


伊勢古市備前屋 伊勢音頭踊之図
左:たとう 原寸縦18.7㎝×横17.3㎝
右:踊之図 原寸縦37.7㎝×横50.9㎝

 踊之図の左下に、「明治三十年十二月一日?印刷同年同月十日発行三重県度会郡宇治山田町大字古市七十二番屋敷著者印刷兼発行者前田嘉重十郎」とあります。

備前屋絵葉書1
左:たとう  中:全景  右:庭園(其一)

左:桜間  中:廊下  右:いせおんど


備前屋絵葉書2
左:たとう 原寸:長辺26.4㎝×短辺23.3㎝   右:表面 原寸:長辺14㎝×短辺9㎝

左:全景・玄関  中:庭園・新間  右:備前屋音頭

左:桜の間・音頭の床間   右:廊下


備前屋絵葉書3(一枚ずつ別々に入手したもの)
左:全景  中:廊下 右:庭園(其二)
 3枚とも表面が同じです。また庭園が「其二」とありますので、元は上で紹介したたとう付きの絵葉書集に含まれていたものではないかとも考えられます。


左:伊勢古市踊備前屋  中:明治40年年賀状表面  右:年賀状裏面


『昭和六年六月 伊勢大神宮参拝記念写真帳 観遊会』
左:古市(備前屋付近)   写真原寸縦10.6㎝×横15.2㎝
右:一行を慰撫せる伊勢音頭(古市・備前屋にて) 写真原寸縦10.6㎝×横15.1㎝
 昭和6(1931)年6月に東京の「観遊会」をいうおそらく旅行団体が参宮した際に作成された記念写真帳にある写真です。昭和初期の古市の様子です。


平成19年12月30日撮影
 左写真の左端のフェンスの所に「備前屋跡」の石碑が建っています。

平成29年12月29日撮影
 石碑は同じ所に現存していましたが、フェンスがなくなっていました。



〔参考文献〕
野村可通 『伊勢古市考』  昭和46年7月 三重県郷土資料刊行会
                p.98・177
伊勢市商工会議所・伊勢文化舎 『改訂版 検定 お伊勢さん 公式テキストブック』
             平成22年2月 伊勢文化舎  p.115 
観遊会  『昭和六年六月 伊勢大神宮参拝記念写真帳 観遊会』 発行年月日記載なし


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