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治山田駅・古市・倉田山界隈 旅館

津の国屋

 津の国屋は現在の古市町「ニュージョイかしく」さんから南に3軒目の辺りにありました。
 野村可通の『伊勢古市考』「大正の古市」「大正の若い衆芝居」には、間口の大きい家で、主人は岡本巳之助で備前屋の舎弟であり古市の芝居愛好家の「若い衆芝居」の花形役者である。芸名を阪東吉右衛門と称し、二枚目役者として人気絶頂だったとあります。


津の国屋絵葉書
 
左:裏面  右:表面 原寸縦9.1㎝×横14.3㎝



両宮付近名所旧跡案内略図
左:表面  右:裏面 原寸縦26.9㎝×横37.9㎝
 表面の地図には参宮急行や伊勢電鉄が描かれていません。その一方、朝熊登山鉄道が描かれています。よってこのパンフレットは大正14(1925)から昭和5(1930)年の間に作成されてものだと考えられます。なお、寂照寺の右側の「伊勢御用邸」は「伊勢離宮」のことだと思われます。
 裏面には田中河井太夫は五畿内の御師であり、一之木神主は箱根以西東海道一円の御師であるとあります(原文には「御師」が「恩師」と表記されています)。また、西野文太郎が「森有礼伊勢神宮不敬事件」の真偽を確かめるため、当館に宿泊した縁で西野文太郎の肖像・斬奸状・謝礼の手紙等が現存するとあります。


領収書 
原寸縦15.5㎝×横21㎝
 明治10年の印刷の上に15年?の書き込みがあります。


平成20年1月1日撮影

 詳細は不明ですが、写真中央灰色の家屋の辺りではなかったかと考えられます。その右側の自動販売機のあるところが「ニュージョイかしく」さんです。

〔参考文献〕
野村可通 『伊勢古市考』  昭和46年7月 三重県郷土資料刊行会
                p.151・177
〔参考HP〕
Wikipedia 「西野文太郎」 令和3年1月9日閲覧


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